いつか見た景色の思い出と空気感を積層ガラスを通して表現。
それは、光の角度にもよって刻々と移り変わる風景のグラデーションであり、一期一会の瞬間に感じとることのできる空気感なのです。 宮尾洋輔は、郷愁や旅情をテーマに写真を選びぬき、ガラスの厚みがもたらす揺らぎの表情を生かして、心に響くような情景の記憶と気配を表現します。 フロートガラス(金属を融解した上にガラスを薄く浮かべて製造した板状ガラス)は、人が感じとることのできる最も平滑な人工物です。そこに彼は人間の英知を感じとります。無機質なガラスの透過性を損なうことなく、また、独特の清涼感を減じることなく、オブジェに柔らかく優しい印象を添えます。 この作品を見た人はどこか幼い頃に見た故郷の景色を思い出すかもしれません。高層ビルにあるあなたのオフィスの窓辺や自宅の書斎に置いてみてはどうでしょうか。ガラスを通して見える世界は、日々都会の喧騒の中で暮らす人々に大切なものを思い出させ、癒しと安らぎを与えてくれます。そんな懐かしい時へとタイムトリップをさせてくれる宮尾洋輔の作品をあなたはきっと手放せなくなるはずです。
・東京都生まれ
・1997 多摩美術大学デザイン科立体デザイン専攻クラフトデザイン専修卒業
・1999 多摩美術大学大学院美術研究科修了
・1999-2001 多摩美術大学工芸学科ガラス研究室副手
・2001-2006 白神ガラス工房 チーフアーティスト
・2007-2012 多摩美術大学工芸学科非常勤講師
・2010 宮冨ガラス工房設立
展覧会: