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    カルチャージャーニー

    • 11月 08, 2020 日本の紅葉

      伝統工芸の世界においても日本の四季は貴重な題材のひとつである。

      字で「狩」とは狩猟や採集を意味しており、「いちご狩り」「キノコ狩り」など、なじみ深い。ところが紅葉をただ鑑賞することも「紅葉狩り」という。その理由は、もともと山野に分け入って鑑賞することが「狩り」に例えられたとする説がある。

      そもそも、日本における紅葉は山まで足を運んで鑑賞するものであったのを、平安時代以降に紅葉する樹木を庭などに植樹することで身近に紅葉が楽しめるようになったようだ。紅葉は、ただ艶やかで美しいだけでなく、寂しい冬へと向かう無常さと結びついて、精神的な琴線に影響を与えてきた。 

      紅葉とは、寒さや乾燥など過酷な季節がある地域において、葉を落とすために起きる現象である。冬眠のように乗り切るようなものである。その時、葉は化学変化で植物の種類や時期によって色が変化する。昔より日本人が鑑賞してきた“かえで”などは落葉広葉樹である。日本では、人為的な影響がない自然の状態ならば、落葉広葉樹は東北地方などの平野部や東日本以西の山間部を中心に分布する。人が多く住む西日本の平野部は常緑広葉樹のエリアである。そのため、紅葉は奥山か山間部にところどころに見られるだけであり、山まで足を運ばなければ鑑賞できないものであった。

      日本の国土は南北に長く、気候条件が大きく異なる。これは、地球規模の気候変化が起きた時に、寒くなれば南に、温かくなれば北に、植物の多くは生息範囲を移動させることで生き延びることを可能とした。しかし、ヨーロッパや北米は今より気温が低かった氷河時代は氷河に覆われただけでなく、ヨーロッパでは東西に走るヨーロッパアルプスに阻まれて、南に避難することが出来ず多くの植物が絶滅した。そのため、日本に存在する現生の樹木は数百種になるのに対して、ヨーロッパは30種程度しか存在しない。したがって、日本の紅葉はヨーロッパや北米の紅葉に対して、樹木が多様なので、微妙な色合いの違いが生じる。

      しかし、ヨーロッパや北米は今より気温が低かった氷河時代は氷河に覆われただけでなく、ヨーロッパでは東西に走るヨーロッパアルプスに阻まれて、南に避難することが出来ず多くの植物が絶滅した。そのため、日本に存在する現生の樹木は数百種になるのに対して、ヨーロッパは30種程度しか存在しない。したがって、日本の紅葉はヨーロッパや北米の紅葉に対して、樹木が多様なので、微妙な色合いの違いが生じる。

      日本の紅葉狩りは、この多様な色彩のパッチワークを鑑賞するのである。庭園は、それを人工的な構造物や石、紅葉した木々の日々変化も考えて配置されているのである。

      次号もご期待ください。

    • 10月 24, 2020 仲秋の名月

      東アジアの暦は中国の影響を受けて太陰太陽暦が使われてきた。日本では明治5年にグレゴリオ暦に変更されたため、太陰太陽暦を「旧暦」と称し、今ではほとんど旧暦を意識することは無いが、年中行事の中には残っていることがある。その一つが旧暦の8月15日である。

      この日は東アジア各地で祖先崇拝や収穫祭などの意味をも含みながら、月を鑑賞する風習がある。中国では中秋節といい月餅を食べる習わしがあるが、日本では「仲秋の名月」とよび、ススキを飾り、団子をお供えするのが江戸時代後期に定着した風習である。旧暦の8月15日はグレゴリオ暦の9月から10月にあたる満月の日である。このころの日本は台風や秋雨の時期に重なるので天気に恵まれない日も多いが、晴れると澄んだ空気に包まれ月の光は透明感のある空気にしみとおる。

      すすきは秋の七草のひとつで、イネ科の植物で草原に生えている。萱ともよばれ、茅葺屋根の材料としても使われる身近な植物であった。そのため、茅場というススキを調達するために管理された草原も存在した。すすきは秋になると光沢のある銀色の穂をつける。埋め尽くす草原のススキが満月の月明かりに照らされて、風に揺れる様はとても幻想的で、現在も大きな川の河原などでそれに似た光景が見られることがある。

      月見の風習が日本に入ってきたのは平安時代初期と言われる。平安貴族は月を見上げるだけでなく、池や酒杯の水面に映った月を愛で和歌などを読むなどをした。このころの京都では西の空はまだ日没の余韻を残す中、東の山から、18時過ぎに月が昇りだし、夜半にかけて高くなる。したがって、水域の西側からの鑑賞するのが美しい。古くより観月の名所とされる嵯峨御所である大覚寺の大沢池などならば、水面に映る名月と山の影がコントラスト強く池に映るさまは、さぞきれいだったと思われる。

      スケールを大きくすると日本最大の湖である琵琶湖の西岸に位置し世界最古の小説とされる「源氏物語」を紫式部が起筆した場所と伝えられる滋賀県の石山寺からの名月を描いたのが、歌川広重の「石山秋月」である。石山寺も大覚寺も今でも観月祭(仲秋の名月を愛でる催し)の有名な場所である。

      次号もご期待ください。